読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Good Days

笑顔でいれば、楽しいことがやってくる

Good Days

live for today
人との出会いを大切にしよう
知ること、知られることを恐れずに
変化をたのしむ毎日を

残り全部バケーション/伊坂幸太郎

だーいぶ前に買った『残り全部バケーション』をやっと読み終えました。伊坂幸太郎先生のファンで、彼の本はほぼ読んでいます。

伊坂作品の特徴は、①前半ゴチャゴチャしていてわけがわからない②最後に全部が絡みあうの2点だと思ってます。

どんなに前半でゴチャゴチャしていても、そのすべての伏線が拾われて、最後にうまくまとめられている。一回読んだら、もう一回最初から読みたくなる。あーすっきりした!で終わる事が多い。

 

この『残り全部バケーション』は、そんな伊坂作品を読んだ人ならきっと読みながら「あー、はいはい、これがどう最後にまとめられるかですよね」と思うだろう。そして期待を裏切らずにまとめられているから、またハマってしまう。その繰り返し。

伊坂作品を初めて読む人は、あまり深く追いかけずにまずはさっくりと読んでみることをおすすめします。

 

登場人物は、毒島からの指示で当たり屋などあくどい仕事で生計を立てている岡田と溝口。そんな生活から足を洗いたい岡田が、仕事をやめるために適当な宛先に送ったメールでお友達になる離婚寸前の男とその妻、娘。後半には、溝口の新しいパートナー・高田が出てくる。その他諸々、登場人物は何人かいるけれど、そのどれもに意味がある。

 

本は1章から5章までの構成だけど、私的には、4章までが序章、5章が結び、だと思っている。起承転結の起が序章で、承転結が5章。その起のなかで登場人物たちが時間軸を少しずつ動きながら、たくさんの伏線を落としていく。

 

私はとにかく岡田のストーリーが好き。岡田は、父親から虐待を受けていると思われる男の子を救うためにお節介で変な作戦を実行する。そしてそんなエピソードが5章で重要な意味を持ってくる。ヒントは「人ってのは、それらしい情報を与えられると、勝手に想像して、納得しちまうってことだ」という溝口の言葉。

 

「百聞は一見にしかず」とか「噂だけで判断するな」とか、まさにそういうこと。情報というのはたくさんあって、今はそれを手軽に調べることができるのは便利だけど、全部信じて取り込んでいたら、結構厄介になると思う。何が正しくて、何が不要か、自分で判断する力が大切。思い込みというのは時に怖い。

 

それは5章で結論を目にする高田だけでなく、溝口にもいえること。すべては思い込みから始まっている。

 

読み切るのに時間がかかったけど、読み終わってまたすぐに読みなおそうと思ってしまう、伊坂マジックにハマってます。