Good Days

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そこのみにて光輝く

 

高校生か大学生のころに「愛のむきだし」という園子温監督の、それはそれは重たくて厚くてじっとりとした映画を観て衝撃を受けたんだけど、それと同じくらいこの作品の重さと儚さにとても胸打たれました。

 

映画『そこのみにて光輝く』。

綾野剛主演で、今を輝く菅田将暉、女の色気全開な池脇千鶴が共演。

 

仕事を辞めて何もせずに生活していた達夫(綾野剛)は、パチンコ屋で気が荒いもののフレンドリーな青年、拓児(菅田将暉)と出会う。拓児の住むバラックには、寝たきりの父親、かいがいしく世話をする母親、そして姉の千夏(池脇千鶴)がいた。達夫と千夏は互いに思い合うようになり、ついに二人は結ばれる。ところがある日、達夫は千夏の衝撃的な事実を知り……。(シネマトゥデイより)

 

達夫は採掘場で仲間を失くして現場から離れ、酒とパチンコ三昧の日々を送るダメンズ。映画の大半がけだるげな剛サマです。

そんな達夫とパチンコ屋で知り合うのが、拓児。喧嘩で捕まり、現在は仮釈放中の身。その姉の千夏。貧しい家計を支えるために、八千円で身体を売る仕事をしてる。そして、千夏は拓児が働かせてもらってる植木業の中島の愛人。

このきょうだい、家に帰れば病気を機に性欲がコントロールできない寝たきりの父と、その相手をして疲労困憊の母がいます。

 海沿いのボロボロの平屋で、何とも底辺な生活を送ってる家族なんですね。保護観察中で中島がその鍵を握ってるともなれば、簡単に中島からも離れられない千夏なのです。もう、色んなことからがんじがらめ。

 

それを知り、千夏に惚れ、助けたいと思う達夫。千夏との縁を切れさせるために中島と対峙したり、一度は離れた山の現場に拓児を連れて戻ることを決意したり、一歩踏み出す達夫だけど、そんな簡単にハッピーエンドでは終わらない。

 

もうね、なんて言ったらいいんだろ。

「家族を持ちたくなった」という達夫のあの何とも言えない顔と、屈託無い拓児と、抱え込みすぎな千夏と、全部が胸にずしーんとくる。

 

最後のシーン、どん底もどん底のはずの達夫と千夏の二人の微笑みがとても悲しくて、とても美しい。

 

綾野剛にはこういう役を演らせると、本当にうまいと思う。ラブシーンも美しいし、パンツ一枚で寝ている綾野さんのショットから始まるのがいい笑

自堕落な達夫のダメな毎日ぶりが冒頭からよく分かったわ。

 

そして、ちょっとおバカなんだけど家族思いで純粋な拓児を演じた菅田くんも良かった。アイドル売りをする若手登竜門みたいな恋愛映画ではなくて、彼にはこういう役をたくさんやって欲しい。

 

summer snow」の頃の池脇千鶴も、思えば貧しい家を支えるしっかり者の女の子だったけど、あの頃にはなかったなんとも言えない三十路の色気がたまらない。同性の私でさえそう思う。あの色気はどこから出るの?笑

色気と言っても、肌を見せるセクシーな色気ではなくて、なんていうんだろ。いやほんと、

 

なんていうんだろ笑

 

肉厚な感じ?

 

毎日見るのは重たいけど、なんかたまに見たくなる、重厚で悲しくて、でも優しくて淡い作品だと思います。

 

役者がそこで演技してる作品ではなくて、そこで生きている達夫と拓児と千夏の密着ドキュメンタリーのよう。

こういう作品、増えるといいなぁ。